業務用家具を選ぶ際に知っておきたいテーブル天板の違いまとめ【木製テーブル・構造編】

業務用家具選び方ガイド

ガラストップやポリカーボネート、大理石などテーブルには様々な種類がありますが、当店でも取り扱いが一番多いのはやはり木製のテーブル天板です。

メーカー様のラインナップでも、木製のテーブル天板は10種類~20種類ほど用意されていて、何が違うのか分からない、という方も多いのではないでしょうか。

仕上げや材木の種類など様々な違いがありますが、今回ではその中でも天板の構造を中心に、テーブル天板の違いをご紹介します。

加工木材と無垢材

一般的に、切り出した材木をそのまま天板として利用するものを無垢材と呼びます。


天然木無垢ナラ材

重厚感があり、長く利用すればするほど風合いが出てきて高級感が増します。また、木目や節など天然木ならではの表情があるのも魅力です。半面、非常に高価であり、反りや割れが発生しやすいなどのデメリットがあります。

無垢材以外の加工した材木で製作された天板を加工木材と呼びますが、大きく加工方法と表面仕上げの方法で下記に分類されます

加工木材天板の分類

  • 加工方法の違い
    • 集成材(しゅうせいざい)
    • 積層材(せきそうざい)
    • 繊維材
  • 表面仕上げの違い
    • 突板(つきいた)
    • 樹脂化粧板
    • 塗装仕上げ

それぞれに特徴と違いを見ていきましょう。

加工方法の違い(集成材、積層材、繊維材)

集成材とは

集成材とは、小さな寸法に切り出した小角材や挽板(ひきいた)を、寄木のように接着剤で固着、再構成した材木のことです。

T-0073 ラバーウッド集成材

大きな節などを避けて製作された小角材を十分に乾燥させ、繊維方向が合うように組み合わせるため、無垢材のように天板全体が反ったり、割れたりするリスクが低くなり、また端材を効率的に造作できるため、無垢材より低コストに高品質の天板を製作することができます。

杉やナラなどの高級材のものから、ラバーウッドやパインなど安価ながら反りや歪みが出やすい柔らかい材木を安定して天板として利用する際に利用されています。

積層材とは

積層材は「積層合板」とも呼ばれる通り、薄めの挽板(ひきいた)を何層か重ね合わせて作られた材木のことです。よく「ベニヤ板」と呼ばれることがありますが、「ベニヤ」とは単板のことで、ベニヤを積層したものが積層合板となります。


T-0096針葉樹カラ松積層合板

積層する際に木目を90度互い違いに重ねて熱圧接着することで、単板では出せない強度を満たすことが可能になります。強度上、奇数枚で組み合わせられるのが一般的で三層合板、五層合板、七層合板などと呼ばれます。なお、強度は層だけでなく合板1枚1枚の厚さや素材に関係しますので、5層だから強度が高い、という訳ではありません。

ラワン合板など柔らかい素材は家具の芯材などに用いられますが、天板として用いられる場合はカラマツやパインなど、比較的固い素材を用いたものが多く利用されます。

繊維材とは

木材チップやおがくずなどを蒸したりして、一度細かな繊維の状態にしてから接着剤等で圧着加工したものが繊維材です。

他の木材と比較して軽量に仕上がり、安価に入手できるため幅広く利用されています。

テーブル天板として利用する際は、表面がむき出しのままだと少しずつ剥離してきてしまうため、後述の突板や化粧板による仕上げが必須となります。

表面仕上げの違い(突板仕上げ、化粧板、塗装仕上げ)

突板仕上げとは

主に繊維材、積層材等の材木に「突板(つきいた)」と呼ばれる0.2㎜~0.6㎜程度の薄く切ったシート状の材木を張って仕上げた天板を突板仕上げと呼びます。樹脂化粧板と対比して天然木化粧板と呼ばれることもあります。


T-0038 天然木ラワン突板

化粧板とは言え、天然木の木目を利用している形になりますので、自然な風合いのある天板を作る事が可能です。

樹脂化粧板とは

メラミンやポリエステルなどのプラスチック樹脂版を化粧板として材木に張って仕上げたものが樹脂化粧板です。業務用のテーブル天板としては、高耐熱性、高強度のメラミン樹脂が用いられることがほとんどで、「メラミン化粧板」と呼ばれるのが一般的です。


T-0100メラミン化粧板

メラミン化粧板は表面がツルツルしているため、汚れがついても落としやすい、という特性もあり、「耐熱性が高い」「傷が付きにくい」「メンテナンス(清掃)が楽」という、業務用用途に非常に適した天板であると言えます。

芯材としては突板仕上げ同様、繊維材や積層材が多く用いられます。プラスチック樹脂のため自由度の高い彩色が可能で、単色のものだけでなく木目調も再現した様々なカラーの天板がラインナップされています。

塗装仕上げとは

無垢材や集成材の場合でも、木材そのままでは水シミや汚れ、小キズができてしまうため、表面を塗装処理して用いるのが一般的です。

天板に用いられる塗装としては、主に「ウレタン塗装」「オイル塗装」「ラッカー塗装」等があります。

ウレタン塗装仕上げ

オイル塗装は木の質感を最大限に活かした塗装で、高級感のある仕上がりになりますが水シミなどの防汚性が低いため、よほどのこだわりが無い限り、業務用天板の塗装としては水シミや傷を最も防ぎやすいウレタン塗装のものが用いられるのが一般的です。

無垢材、集成材のものが多いですが、カラマツなど強度の高いものであれば積層材の場合にも独特の風合いの天板が比較的安価に提供されています。

・木ならでは独特の風合いを活かした無垢材、集成材にはオイル塗装がよく用いられる
・積層材、繊維材など比較的安価になる天板の場合は突板、化粧板が良く用いられる

無垢材と突板の見分け方

実際の木材板を用いている「突板」は、一目見ると無垢材のような風合いを出すことが可能です。「突板で高級感が出るのなら、わざわざ無垢材なんか用意しなくていいんじゃないか?」と思われるかも知れません。

この記事の最後に、パッと見て気づく無垢材と突板の違いの見分け方をご説明いたします。

突板ではどうしても木ブチの木目に不自然さが出てしまう

無垢材は一本の木から切り出された板ですので、全ての木目が必ず繋がる形になっています。一方、突板では別の表情の木目を使うことになるため、芯材と突板の木目を合わせる事が不可能です。

天板表面と側面を見比べてみると、無垢板は表面の目に沿って木目があるのが分かりますが、突板の場合は表面と側面の木目が合っていないのが分かります。

こんな違いに着目してお店のテーブルを見てみるのも面白いかも知れないですね!

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